はじめに
虫歯があっても痛みや違和感が全くない場合、クリニックに行った方がいいかどうか判断できないことってありませんか?
虫歯は急にできてしまうものではなく、少しずつ進んでいくものです。
実際に痛みが起こっている虫歯はかなり進んでいるものなので、痛みがなくてもクリニックに行った方がいいケースが多いと言われています。
ここでは虫歯の原因や放っておくとどのような悪影響があるのかなどをまとめてみました。
もし、思い当たることがあったら、ぜひクリニックで診てもらってください!
虫歯の原因とは
歯磨きができていない
ブラッシングがきちんとできずにプラークが残ったままだと、虫歯菌が食事をするたびに酸を大量に出すため、唾液の力が追い付かないので虫歯になりやすいです。
どの程度ご自分がプラークを除去できているのかをきちんと知っておきましょう。
完全にプラークが取り除けたと思うまで歯を磨き、プラークを染め出す専用の薬剤を使ってチェックしてみるといいでしょう。
さらに、歯ブラシだけでは完全にプラークを取り除けないため、デンタルフロスを使ってプラークを取り除くことも重要です。
虫歯菌が多い
虫歯の原因はミュータンス菌と言われており、これが多い方は酸を出す量が多いので虫歯になりやすいです。
ミュータンス菌は親から感染する菌で親が2歳くらいまでにお箸などを共有することで子どもにうつってしまいます。
ミュータンス菌の量についてはクリニックで調べることが可能で、多い場合にはフッ素ジェルを使うと有効です。
また、キシリトール入りのガムなどもミュータンス菌の活動を弱めるのに有効だと言われています。
唾液の量が少ない
唾液の量が少ない方は虫歯菌が出す酸を中和したり、再石灰化できないため虫歯になりやすいです。
高血圧や自律神経を改善するための薬は特に唾液の量が減るため、唾液腺をマッサージしたり、キシリトール入りのガムなどを噛むことで唾液を増やしましょう。
唾液の力が弱い
唾液の力が弱い方も虫歯が産出する酸を中和したり、再石灰化するのに時間がかかるため虫歯になりやすいです。
唾液の力を強くすることは不可能なので、間食をできる限りやめ、唾液が中和したり再石灰化する時間を長くすることが大切です。
また、唾液の量を増やせば質を量で補えるとも言われています。
甘いものや間食が多い
虫歯菌は食事のたびに酸を出すと言われています。
さらに、甘いものを食べると虫歯菌が酸を出しやすいと言われています。
つまり、虫歯菌の出す酸の量や回数が多いと、唾液が中和したり再石灰化が追い付かないため虫歯になりやすいです。
食事をなるべく決まった時間に摂り、飲みものを飲む時は無糖のものに変えるだけで効果が期待できます。
詰めものの間から虫歯ができる
プラスチックや金属製の詰めものだと、数年経てば劣化するため歯と歯の間から虫歯になっていきます。
歯はいったん削るとその後ずっとやり直す必要があるので、できる限りやり直す必要がないようにセラミックなどで治療することをおすすめします。
虫歯を放っておくと
では、虫歯をそのままにしておくとどういったことが起きるのでしょうか?
歯の神経が痛み出す
神経が残っている歯をそのままにしておくと、虫歯が神経に到達するため痛みが強く出ます。
歯の痛みはかなり強いことがあるので、痛み止めを飲んで鎮めた後、神経を取り除く必要があります。
あごに膿が溜まる
歯の神経が死ぬほどの虫歯にまでなってしまうと、あごの骨の中で膿が溜まっていき歯ぐきが腫れたりする場合があります。
それによって口が開けられなくなり、食べものが飲み込めないほどの腫れになることもあります。
ここまで進んでしまうと麻酔をかけて歯茎を切開し、膿を出す必要が出てきます。
細菌が侵入し副鼻腔炎になる
上あごの奥歯が虫歯のままだと副鼻腔炎になることもあります。
上あごの根の部分は副鼻腔に近いため根の先のところから副鼻腔に細菌が侵入するからです。
顎関節症になる
奥歯が虫歯のまま放っておくと噛み合わせが悪くなるため顎関節症になったりします。
噛み合わせが悪くなると耳鳴りや原因不明の体調不良が起きたり、顔の形が変わったりします。
骨髄炎
虫歯が進み神経が死ぬとあごの骨を虫歯菌が侵し始めるため、炎症が起き歯ぐきから化膿したり出血することがありますが、さらに進むと骨髄にまで虫歯菌が感染してしまい骨髄炎になることもあります。
さらに、嘔吐や全身の倦怠感、高熱などが続き治療が間に合わないと骨が壊死してしまったり、骨が変形してしまうこともあります。
敗血症
骨髄炎が進むと虫歯菌は全身に回ります。
免疫力が正常なら菌に負けることはありません。
ただ、虫歯が原因だと治療をしないままだと虫歯菌が常に全身を血液乗ってめぐり続けるため、長期間この状態が続いてしまうと血液が腐敗する敗血症になり、多臓器不全になり最悪死亡することもあります。
2011年にアメリカで男性が虫歯が原因で多臓器不全を起こして死亡した例があります。
心筋梗塞
歯の中の死んでしまった神経を放置しておくと、虫歯菌が血の中に入り込んでしまって全身をめぐります。
さらに、虫歯菌が心臓の中に入ってしまうと血管を硬化させ動脈硬化になります。
その後血流が悪化する狭心症になり、症状が進んでしまうと新組織が死んでしまい心筋梗塞になることもあります。
最悪、心臓の激しい痛みが起き心停止を起こし突然死につながります。
まとめ
まだ痛みがない初期段階の虫歯なら削る必要もなく再生できる可能性があります。
さらに、小さい虫歯のうちに治療すれば1回のみの通院で治療が終るかもしれません。
ですが、虫歯を放っておけば治療もおおがかりなものになってしまい、通院回数や費用面での負担も大きくなります。
ぜひ信頼できるクリニックで定期的にチェックしてもらい、虫歯になる前に予防できるようにしましょう。