虫歯は子供だけの問題ではありません。大人になっても毎日の歯磨きやケアを怠ると、虫歯になってしまいます。特に、20代後半から目立つのが歯と歯茎の間にできる虫歯です。
ここでは、そんな虫歯を防ぐためのポイントや正しい歯磨き法などをご紹介します。虫歯を防いで健康な口腔内を保ちたい方はぜひ参考にしてくださいね。
虫歯を防ぐポイント
それでは早速虫歯を防ぐポイントについてご紹介します。
糖分の摂取を控える
歯は本来かなり頑丈にできています。人間の口の中は中性ですが、食べ物に含まれている糖分を虫歯菌がえさに、酸を作っていき、酸性になります。歯が酸性になると脱灰状態になります。脱灰というのは、歯からリンやカルシウムなどのミネラルが溶けだしてしまうことです。
しかし、脱灰は唾液の力によって元に戻ります。唾液には、酸性に傾いた口内を中性に戻し、溶けだした歯を元に戻す力の再石灰化が備わっているのです。
唾液の分泌量が少ない場合や唾液の能力が弱くなっていると、この機能がしっかりと働きません。また、歯を酸性化させないためには、お菓子や糖分の入った飲み物などの摂取を控えることが大切です。
フッ素で歯質を強化する
フッ素には歯を強化する力があります。フッ素は、海産物やお茶の葉にたくさん含まれています。歯の表面にフッ素を塗ると、ハイドロキシアパタイトという成分とくっつき、酸に抵抗があるフルオロアパタイトを作り、歯のエナメル質の酸への抵抗力を高めるのです。エナメル質は一度強くなると、簡単には酸に溶けません。そのため、フッ素を使って歯質を強化すると、虫歯になりにくくなるのです。
また、フッ素は糖分に強いということもわかっています。さらに、フッ素は知覚過敏にも効果があるのです。
今は家庭でも使える低濃度のフッ素もありますが、定期的に歯科医院で高濃度のフッ素ケアを行うことがおすすめです。
正しい歯磨きの方法とは?
毎日歯を磨いていても、虫歯になってしまうことがあります。この原因は、ブラッシング方法が間違っていたり、歯磨きが雑だったり、自分に合った歯ブラシを使っていない可能性があります。
ここからは、正しい歯磨き方法をご紹介していきます。正しい歯磨きを理解して、虫歯のない健康的な口腔内を目指しましょう!
ヘッドの小さな歯ブラシを使う
みなさんが普段使っている歯ブラシはどんなものですか?歯を一気に磨けるからといってヘッドの大きな歯ブラシを使っている方は要注意です。
歯ブラシのヘッドはできるだけ小さなものを選びましょう。ヘッドが小さいほうが、小回りが利くので奥歯までしっかり磨くことができます。また、毛の硬さは普通の硬さで、ナイロンで出来た毛が最適です。硬すぎる毛だと、歯や歯茎を傷つけてしまう可能性があります。
また、歯茎の炎症がある場合は、柔らかめの毛の歯ブラシを使用しましょう。炎症がおさまってきたら、普通の硬さに変えると良いですね。
歯ブラシはそっと握って力を入れずに磨く
歯ブラシをぎゅっと強い力で持ってしまうと、奥歯までしっかり磨けません。また、強すぎる力でごしごしこすると、毛先が折れてしまうので歯垢が取れないのです。さらに、歯茎や歯の根を傷つけてしまうので、そこから歯周病になってしまう可能性があります。
鏡を見ながら磨く
歯磨きをする際は、鏡を見ながら行いましょう。大きな口を開けて自分の歯や歯茎の状態を見ながら磨くことで、虫歯予防につながります。
歯は平べったい状態ではありません。丸くなって歯ブラシが当たりにくかったり、唇に覆われて歯ブラシが届かなかったりと歯の場所によって状態が異なります。そのため、しっかり鏡で確認しながら歯を磨く必要があるのです。
特に、歯と歯茎の間は歯垢が溜まりやすいので、注意しながら磨きましょう。
小刻みに磨く
虫歯になる多くの人が、歯ブラシを動かす距離が長すぎます。歯ブラシを動かす距離は、歯1本分くらいの幅の細かい往復運動が最も歯垢を取りやすくします。
一気に歯を磨こうと歯ブラシを大きく動かしても、結局は磨けていないことが多いでしょう。かえって手間がかかったり、効果が上がらず時間が無駄になってしまうのです。
今からできる虫歯予防
歯科医院では、様々な虫歯予防法があります。虫歯にならないか心配な方は、ぜひこういった予防法をお試しください。
歯科ドッグ
歯科ドッグでは、科学的な方法で虫歯の原因を調べることができます。次のような方は歯科ドッグがおすすめです。
- 毎日頑張って歯磨きをしているのに虫歯になる方
- 虫歯予防に関心があるけれど、どうして良いのかわからない方
- 自分の子供を虫歯にしたくない方
虫歯は自分に合った予防法を実践すれば、ほとんどが予防できるのです。歯科ドッグでは、唾液検査やカウンセリングで虫歯菌の量や虫歯に対する抵抗力を調べ、虫歯になる可能性を診断します。そして、自分に最も合った効率の良い虫歯予防法をアドバイスしてくれるのです。
クリーニング
歯科医院では、普段の歯磨きでは落としきれない汚れをしっかり除去してくれるクリーニングがあります。歯科医院でのクリーニングは専用の器具を使って行うので、歯の表面の汚れはもちろん、虫歯菌のすみかとなるバイオフィルムまで落としてくれます。
アウスジェット
アウスジェットは、霧状のスプレーで薬剤を直接歯周ポケットの中に浸透させていきます。このアウスジェットには、虫歯の原因となる歯垢の除去や口臭を改善する効果があるのです。
シーラント
シーラントは、奥歯の磨き残しによる子供の虫歯を防いでくれます。奥歯の溝部分をプラスチックでコーティングして虫歯を防いだり、フッ素によって歯の再石灰化を促します。
歯科医院でのケアと正しい歯磨きで虫歯を防ごう
いかがでしたか?
虫歯を防ぐ方法や正しい歯磨き方法はしっかり理解できましたか?
虫歯になると、口臭が気になったり歯周病やほかの病気になるリスクも高くなってしまいます。毎日の正しい歯磨きで、虫歯のもととなる汚れをしっかり落とすことが大切です。
自分の歯磨きが正しくできているか心配な方は、一度歯科医院でアドバイスをしてもらうと良いでしょう。歯科医院では、効果的な虫歯予防も行っているので、そういったケアを定期的に行うのもおすすめです。