普段何気なく行っている行動や癖が、実は歯並びに影響する可能性があるということをご存知ですか?
「え!?こんなことが歯並びを悪くするの?」と思うような習慣や癖が、もしかしたら歯並びや歯に大きく影響しているかもしれないのです。
噛み締め
いわゆる「食いしばり」癖のことです。
無意識に奥歯を噛み締めていることはありませんか?
噛み締めとは、上下の歯でぎゅっと噛む癖で、ほとんどの場合無意識に行われます。
この噛み締める癖により、奥歯はとても大きなダメージを受け、歯や健康状態に悪影響が及ぼされます。
噛み締めが歯に及ぼす影響は、歯が磨り減ることによる知覚過敏や歯周病、顎関節症など様々です。
そして歯並びに関しても影響が出てきます。
噛み締めることで奥歯の歯槽骨の発育を抑制してしまうため、奥歯の高さが低くなり、前歯の噛み合わせが深くなる恐れがあります。
TCH(歯列接触癖)
このTCHとは、上下の歯が無意識かつ継続的に接触する癖のことを言います。
人は口を閉じていても、上下の歯の間は2ミリほど開いています。
しかし物事に集中しているときやストレスなどを感じているときに、無意識に接触させてしまうことがあります。
これが「歯列接触癖(TCH)」です。
このTCHは、歯の痛みや歯周病の悪化、顎関節症、歯のヒビなど深刻な症状を引き起こしてしまいます。
また噛み合わせの違和感や歯並びへの影響も懸念されます。
頬杖をつく
頬杖をつくという姿勢は、歯にとってよくない習慣です。
頬杖は、手のひらを頬に当てて肘をつくことで、歯が内側に押さえられてしまいます。
人間の頭の重さは、成人で約5キロですが、その重さを手で押さえることにより、歯が徐々に内側へ倒れたような歯並びに変化してしまうことがあります。
また、いつも決まって同じ側で頬杖をついていると、顔が歪んでいき、左右非対称になってしまうこともあります。
両手で頬杖をつく癖がある人は、顎が前へ突き出てしまう「上顎前突」になることがあります。
このように、頬杖をつくことで歯並びの悪化や、顔が歪んでしまうことがあります。
ぽかん口(口呼吸)
通常呼吸をするときは、鼻で行う鼻呼吸です。
しかし口で呼吸する「口呼吸」は、歯や口腔内、健康にもデメリットが多いのです。
口呼吸を行う人は、常に口が少し開いているため「ぽかん口」と呼ばれることもあります。
口呼吸は、空気中の雑菌を直接肺へ取り込んでしまうため、風邪をひきやすいなどの健康に大きな影響を与える他、口の中が乾燥して口臭や虫歯、歯周病など歯や口腔内にも悪影響が出てしまいます。
歯並びに関しては、まず舌の筋肉が鍛えられないため、舌が下がってしまいます。
本来なら、舌は上顎歯列の中に収まっているものです。
しかし口呼吸を行うことにより舌が下がってしまうと、上顎を支えることができません。
このため頬の重さにより、上の歯列が内側に押されて狭くなってしまい、歯並びに乱れが生じることがあります。
下の歯にも影響が起こります。
特に成長過程に口呼吸の癖がつくことで、下顎の下の方への成長傾向が強くなり、顔面が狭く長くなる顔つきになってしまいます。
口呼吸は、歯並びを含めた口腔内や健康面にとって、非常に良くない習慣です。
意識して鼻呼吸を行うように改善する必要があります。
同じほうでばかり噛む
利き手と同じように、片側だけで噛む癖も良くありません。
片側噛みのいちばん大きな原因は、顔の歪みです。
これはいつも噛む方だけ筋肉が発達するため、左右のバランスが崩れてしまいます。
また歯並びも乱れて歪んでしまう恐れがあり、顎関節症に繋がってしまうこともあります。
片側噛みの癖がある人は、反対側の歯で噛むようにします。
ガムをしっかり噛むことで、歯並びが乱れることを防ぐトレーニングを行いましょう。
キシリトールガムなら虫歯になる心配がありません。
腹這いになってあごを押し当てる
ゲームや読書をするとき、腹這いになって枕やクッションにあごを押し付けた姿勢になっていませんか?
また、体育座りをしたときに、膝の上に顎を乗せる姿勢も小中学生によく見られる光景です。
これら姿勢は噛み合わせを深くし、歯並びに乱れを生じさせる原因になります。
舌の癖
その他にも、舌を歯に押し付ける、舌を突き出す、舌を巻き込むなど、舌に癖がある人も、歯並びが乱れる心配があります。
舌の先端は本来、上顎に付いていますが、舌にそのような癖がある場合、また舌の機能異常がある場合、正しい位置に収まりません。
その結果歯並びに影響が出てしまうことがあります。
できる限り舌先を上顎に付けるよう意識して下さい。
まとめ
いかがでしたか?
歯並びは遺伝だけが原因と思われがちですが、実はそれだけではないことがおわかりいただけたと思います。
きれいに生え揃っていたのに、普段の何気ない癖や習慣が、思わぬ歯列の乱れを引き起こしてしまうことがあります。
いちど付いてしまった癖はなかなか改善することが出来ません。自ら「治そう」という強い意識を持つことが大切です。