口の中に違和感がある時、まず虫歯を疑う方が多いのではないでしょうか?
しかし、なかには歯を抜く必要がある病気や、歯周病、最悪命にかかわる病気の場合もあります。
放っておくと手遅れになってしまうことも。
自己判断ではなく、違和感を感じたらすぐにクリニックを受診するようにしましょう。
虫歯とは?
口の中では、歯が溶ける脱灰と溶けた歯がまた元の状態に戻ろうとする再石灰化が繰り返し行われています。
通常、歯は唾液により守られていますが、糖分の入った食べ物などを摂ると細菌が作る酸によって口の中が酸性に傾くと歯の表面からカルシウムイオンなどが溶け出すため、脱灰が進行していきます。
唾液により中和されると溶けだしたイオンが歯の表面に戻るため再石灰化が起こります。
この二つのバランスがうまく取れていれば虫歯になることはなく、口の中は健康に保たれるのです。
ただ、この二つのバランスが崩れてしまうと虫歯になってしますのです。
虫歯は次の2つの過程を踏んで進んでいくと言われています。
初期虫歯
脱灰を促進する因子となる糖分や細菌の攻撃力が、再石灰化を促進する因子の力を上回ってしまうと
脱灰が進行し、う蝕になります。
この脱灰が進むと歯に穴が開き、虫歯となっていくわけですね。
進行した虫歯
この状態からさらに脱灰が進んでしまうと、歯の表面に穴があきます。
こおれをう窩形成性う蝕と呼び、こうなってしまうと虫歯の部分を削って詰める必要が出てきます。
虫歯の対策法とは
虫歯と生活習慣には密接な関係があり、虫歯は虫歯菌によっておこる病気ですが
ほとんどの人の口の中に虫歯菌がいると言われています。
なのに、虫歯になりやすい人とそうでない人がいるのはどうしてなのでしょうか?
その原因こそが生活習慣なのです。
不規則な生活、特に乱れた食生活が虫歯の原因になります。
つまり、生活習慣を改善すれば虫歯をある程度防ぐことができるわけですね。
毎日の歯磨き習慣や規則正しい生活、全身の健康を維持する・・などを意識して生活することが最も大切だと言えるでしょう。
歯周病とは?
口の中のトラブルでもう一つ挙げられるのが歯周病ではないでしょうか?
歯周病とは、歯と歯ぐきの間にある細菌が歯を支えている歯周組織を破壊する病気のことです。
歯磨きをした際に出血することがあるかもしれませんが、それは歯周病の初期症状と言われています。
その他にも歯茎がムズムズしたり、食べ物を噛むと痛い、歯が浮いた感じがする・・などの症状がある方は歯周病かもしれませんよ?
この歯周病やプラークや歯石を取り除くことで進行を止めることが可能です。
ですが、放っておくと歯茎が後退してしまい、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
また、歯周病はいったん進行すると完全に治療できないため、早期発見、早期治療が大切な病気と言われています。
歯周病の対策法とは
歯周病の中でも一部のものは遺伝によるものもありますが、ほとんどは生活習慣や
お口の中の環境が原因と言われています。
根本的に治療するには個人の努力の他にプロによるケアも大切です。
歯磨き
歯磨きにより歯周病の原因となるプラークや歯周病菌を取り除くことができます。
きちんと磨いているつもりでも、食べかすが残っているとそこから歯周病が悪化していきます。
なので、正しい歯磨きをして磨き残しのないよう丁寧にブラッシングしましょう。
クリニックでの治療
歯周病は一度進んでしまうと元に戻せません。ですが、進行した症状を食い止めることは可能です。
ただ、歯周病の初期症状はなかなか気づかないため、プロによる定期検査やケアが必要になるでしょう。
生活習慣の改善
歯周病は高血圧や糖尿病と同様生活習慣病の一つと言われています。
歯周病を予防・治療するには次のようなことに気を付けることが大切です。
まずよく噛むことがポイントです。
よく噛むことで唾液の分泌が盛んになり、歯周病の原因となる細菌が繁殖しづらくなるためです。
噛む回数の目安としては一口30回以上が理想です。
これより少ないと感じたら意識してたくさん噛むようにしましょう。
よく噛むことで顔のラインも引き締まるため、小顔ダイエットの効果も期待できますよ。
次に、食いしばりや歯ぎしりをやめましょう。
食いしばりや歯ぎしりで強い力が歯にかかるとだんだん歯がぐらついてきます。
そうなると、歯と歯ぐきの隙間に歯周病菌が入り込んで一気に増えてしまうからです。
もし、寝ている間などに無意識でしてしまう方はマウスピースを装着するといいでしょう。
そうすれば、歯に負担がかからないからです。
また、禁煙することも重要です。
長期間たばこを吸っていると、歯ぐきの出血量が少なくなると言われています。
ですが、これは出血量が少ないというだけで、実際には歯ぐきの炎症がおさまっているといことではないようです。
実際のところ、症状はどんどん進んでいると考えられます。
なので、たばこを吸う方は歯周病の発見が遅れてしまい、気づいたらかなり進行していた・・ということになりかねません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
お口の中の主なトラブルとその解決法についてご紹介しました。
せっかくクリニックで歯をキレイにしてもらっても生活習慣の改善や
きちんと自分でもケアをしなければまた虫歯や歯周病になってしまいます。
特に歯周病は命にかかわったり、お腹の中の赤ちゃんの成長にも関わる怖い病気です。
自己管理をきちんと行うことで歯周病を食い止めることができるので、日ごろの生活を少しずつ見直し、改善していきましょう。
いつまでもご自分の歯を維持していただき、また、健康的な生活を送るためにも、今すぐ虫歯や歯周病対策をおこなってみてはいかがでしょうか?