歯間(歯と歯の間)は歯ブラシが届きにくく、完全に汚れを取り除くことが難しいのでプラーク(歯垢)が残りやすいと言われています。
プラークが口内に残っていると虫歯や歯周病などの原因となり、将来的に大きな口内トラブルに悩まされることになるかもしれません。
今回は、そのような事態を防ぐための歯間ケア方法をご紹介します。
歯間ケア用品
口内の健康は快適な生活を送るためには欠かせません。
日本人は平均65歳前後になる頃にはご自身の歯は半分程しか残っていないと言われています。65歳を過ぎてもご自身の歯で食事を摂ることが出来る、そんな生活を送るためにも歯間ケアはしっかり行いましょう。
しかし、歯並びや歯の形にもよりますが、どうしても普通の歯ブラシだけでは歯間の汚れを完全に取り除くことは難しく、逆に強く擦り過ぎて歯の表面を傷付けてしまう場合があります。そんな問題を解決するために使用するのが歯間ケア用品です。ご自身の歯と歯の隙間に合わせて、使いやすいと感じる歯間ケア用品を使いましょう。
ここでは、歯間ケア用品の種類と使用方法をご紹介します。
デンタルフロス(糸巻きタイプ)
糸巻きタイプのデンタルフロスとは、リールに巻かれた糸を切って使うタイプのデンタルフロスです。糸の太さや弾力は様々なタイプのものがあり、ご自身に合ったタイプのものを選びましょう。
【使用方法】
- 糸を指先から肘までの長さに切る。
- デンタルフロスを歯と歯の間にゆっくり入れる。
- デンタルフロスを歯の側面に当て、擦るように上下に数回動かす。
- 片面を掃除し終えたら、もう片方も念入りに掃除する。
- 掃除が終わったら、横に動かしながらゆっくりと引き抜く。
デンタルフロスを歯間に入れる時は、必ずゆっくり進めましょう。力任せに入れてしまうと歯茎が傷付く原因になります。
1つの歯を綺麗にした後次の歯を掃除する際は、使用したところを避け新しい部分を使ってください。使用後は基本的に使い捨てになります。全体の歯を綺麗にしやすく、必要な分だけ切り取ることが出来るので経済的です。
デンタルフロス(ホルダータイプ)
糸巻きタイプとは違い、持ち手が付いているのが特徴です。
ホルダータイプには2種類あり、F字型、Y字型になります。F字型は前歯を掃除することに優れており、Y字型は奥歯を掃除することに優れています。
【使用方法】
- 歯と歯の間に糸をゆっくりとノコギリを引くように入れる。
- 根本まで入れたら歯の面に沿って上下に動かす。
- 歯の掃除が終わったら、ゆっくりと横に動かしながら取り出す。
ホルダータイプのデンタルフロスは初心者の方におすすめです。正しい使用方法でないと歯茎が傷付いてしまったり汚れが完全に取れなかったりするので、不安な場合は歯科医師か歯科衛生士から指導を受けましょう。使用中に糸がほつれたり絡まる場合は虫歯や歯石が出来ているかもしれません。状態を見て歯科医院で検査を受けることをおすすめします。
デンタルフロスを使う頻度は、基本的には毎日最低でも1日1回は行うといいでしょう。鏡を見ながら念入りに掃除してください。
小さなお子さんの虫歯防止にもデンタルフロスでの歯間ケアは重要です。
歯間ブラシ
歯間ブラシの形は3種類あります。持ち手が真っ直ぐなストレートタイプ、持ち手がカーブしているカーブタイプ、持ち手がL字型になっているアングルタイプです。
【使用方法】
- 歯茎を傷付けないようにゆっくりと斜めに歯間に入れる。
- 歯間ブラシを水平にして、面に沿って数回往復させる。
- 隣接する歯の片面ごとに軽く当てて掃除していく。
基本的に奥歯の掃除はカーブタイプかアングルタイプを使用しますが、ストレートタイプでもワイヤーを曲げることでアングルタイプにすることが出来ます。ストレートタイプは他のタイプよりも比較的安価で手に入るので、ストレートタイプを愛用する方が多いです。
歯間ブラシは普通の歯ブラシと同様に、使用後は水で汚れをよく落とし、風通しの良いところで保管しておきましょう。そのまま放置しておくと雑菌が増え、逆に口内を汚してしまいます。また、ブラシの毛が乱れたら取り替えてください。
ブラシ部分は金属製とゴム製の2種類があります。ゴム製は柔らかく使いやすいので、初心者の方はまずゴム製の歯間ブラシを試してみましょう。金属製は清掃能力は高いですが、ゴム製に比べると固いので誤った使い方をすると口内を傷付けてしまいます。最初はゴム製を使用し、慣れてきたら金属製に変えることをおすすめします。
歯間ケアは必ず歯磨きをした後に、鏡を使って丁寧に行ってください。
エアーフロス
エアーフロスとは、圧縮空気を利用し、微小な水滴を歯間に噴射することでプラークを破壊、除去する歯間ケア用品です。最大99%のプラークを除去することが実証されており、手間も少なく近年強い支持を得ています。
【使用方法】
- タンクの中に水又はマウスウォッシュを入れる。
- 歯間を狙って噴射する。
使用した方からは使いやすいという声が上がっており、デンタルフロスをする習慣がなかった方でも使い続けることが出来ると言われています。歯間ケアは長く続けることが大切なので、ご自身が使いやすいと感じることが1番ですね。
エアーフロスウルトラというバージョンもありますが、こちらは噴射の強さ設定、高性能ワイドノズルなど、通常のエアーフロスよりも様々な機能が付いています。エアーフロスウルトラのプラーク除去は99.9%にもなるそうです。
普段水を使っている場合はタンクの中に少量のマウスウォッシュを入れ、噴射されなくなるまで繰り返し起動ボタンを押すことでタンク内に菌が繁殖するのを防げます。また、普段マウスウォッシュを使っている場合は水をタンクの中に入れ、よく濯ぎ乾かしましょう。どちらの場合も、綿棒を使って掃除するとより綺麗になります。
ノズルを綺麗にしたい場合は、ノズルを外して水又はマウスウォッシュで丁寧に濯いで風通しの良いところで乾かしましょう。
様々な歯間ケア用品がある今、ご自身の歯間状態をしっかりと理解したうえで使いやすいと感じるものを選ぶと良いですね。
後悔する前に歯間ケアの習慣を
いかがでしたか?
ご自身で歯間ケアをする前に、1度歯科医院で虫歯や歯周病に罹患していないか確認してください。
もし虫歯や歯周病を罹患していたらすぐに治療を開始して完治を目指しましょう。罹患していなかった場合は、そのまま健康な状態を保つためにご自身の歯に合う歯間ケア方法を専門医に相談してみてください。
将来ご自身の歯で生活するためにも、今から歯間ケアをしっかりと行いましょう。